アルゼンチンのインフレ率、4月は108% 干ばつや通貨安

【サンパウロ=宮本英威】アルゼンチン国家統計局(INDEC)が12日発表した2023年4月の消費者物価指数は、前年同月比で108.8%上昇した。上昇率は過去30年で最も大きい。歴史的な干ばつや通貨安を背景に、商品やサービスの価格が軒並み上昇している。

上昇幅は15カ月連続で拡大し、3カ月連続で100%を上回った。4月は1カ月間だけで、インフレ率が8.4ポイント上がった。経済紙アンビト・フィナンシエロによると、月間の上昇率は02年4月以来の高い水準となった。

干ばつに伴う経済悪化で、通貨ペソは下落しやすい状況だ。ペソの公式レートは1ドル=230ペソ程度と、年初から約3割のペソ安・ドル高が進んでいる。非公式の闇相場は470ペソ程度に下がっている。価格差は約240ペソと、1年前の80ペソ程度から広がっている。

中央銀行によると、11日時点の外貨準備高は336億ドル(約4兆5600億円)と、16年10月以来の低水準にある。

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