JR秋葉原駅前で免税店を経営
消費税の不正還付申告で100億円の追徴課税を受けていた
特別清算開始命令受ける
TDB企業コード:980495556
負債68億円
当社は、1950年(昭和25年)に創業、61年(昭和36年)6月に法人改組された。電子部品の卸、小売事業を手がけ、73年にはJR秋葉原駅前に本社ビルを建設するとともに、外国人客をターゲットとした免税品コーナーを開設。2002年1月に本店ビルの隣にもビルを建築し、免税専門店としてオープンした。2014年5月期に約8億7400万円だった年収入高は、インバウンドの追い風を受けて2015年5月期には約37億600万円に増加、2017年5月期には約1092億7400万円に達していた。
しかし、2017年に東京国税局が当社に対し、訪日外国人向けの免税制度を悪用した約70億円の不正還付を指摘。販売したはずの商品の多くが海外に持ち出されていないこと、都内の取引先との間で仕入れと買い戻しを繰り返す循環取引を行い、外国人に販売した実績はないことなどが認定され、東京国税局が当社に約100億円の追徴課税をしたことが報じられていた。
これによって当社の信用は大きく失墜。2017年末に小売事業、2019年末には家電製品卸から撤退し、その後は不動産賃貸および通販サイト向けのスポット販売などを手がけるにとどまり、2021年5月期の年収入高は約3億5900万円に落ち込んでいた。こうしたなか、社有不動産の売却を進め、2023年2月27日株主総会の決議により解散、今回の措置となった。
負債は約68億円。