バンブーマテリアル株式会社など3社特別清算開始命令受ける

合板製造
日本の「竹ビジネス」先駆者
特別清算開始命令受ける
TDB企業コード:684017057

負債50億8500万円

「熊本」 バンブーマテリアル(株)(資本金1000万円、玉名郡南関町下坂下4668-6、代表清算人山田浩之氏)と、関係会社のバンブーフロンティア(株)(TDB企業コード:767015982、資本金1億円、同所、代表清算人津留克也氏)、バンブーエナジー(株) (TDB企業コード:291016999、資本金1億1150万円、同所、代表清算人岡田久幸氏)など3社は、3月28日に熊本地裁玉名支部より特別清算開始命令を受けた。

 バンブーマテリアル(株)は、2015年(平成27年)11月に設立したリサイクル建材製造業者。民間ファンドや地場企業、大手電力会社などの出資を受け、熊本県南関町を中心に竹林より伐採した竹を住宅用資材に加工し、大手建材商社に販売することで放置竹林といった「竹公害」を解決する地方創生型のビジネスモデルを掲げていた。2018年2月には敷地面積約4万2900㎡の大型工場を竣工。日本における竹ビジネスの先駆者としてマスコミから注目を集めていた。

 しかしその後、導入した中国製設備の故障が頻発し、製造開始時期に大幅な遅れが発生。当初予定していた2020年の年売上高約30億円に対して、2020年3月期の年売上高は約460万円にとどまり、開発費用が先行していたことで営業損益段階からの赤字が続き、同年同期末から債務超過状態に陥っていた。その間、設備の一部を日本製に交換するなどして、本格稼働に向けた準備を急ピッチで進めていたが、納入に必要となる日本産業規格(JIS)の認証取得の遅れから本格的な生産に至らず、営業収益を確保できなかった。地元企業からの借り入れでしのいでいたものの、先行きの見通しが立たず、2021年11月には株主総会の決議により解散していた。

 なお、関係会社のバンブーフロンティア(株)とバンブーエナジー(株)も同様の措置となった。

 負債はバンブーマテリアル(株)が約28億9100万円(2021年3月期末時点)、バンブーフロンティア(株)が約7億4200万円(2019年3月期末時点)、バンブーエナジー(株)が約14億5200万円(2019年3月期末時点)、3社合計で約50億8500万円。

出典:帝国データバンク

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