日米欧など先進7カ国(G7)の気候・エネルギー・環境相会合がまとめる共同声明に、世界の温室効果ガス排出削減について「2035年に19年比60%削減する緊急性を強調する」との文言を盛り込むことが13日、分かった。
産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑える国際枠組み「パリ協定」の目標達成に向け、排出量削減の上積みを各国に呼び掛ける。
G7気候・エネルギー・環境相会合は15、16両日に札幌市で開かれる。
温室効果ガスを巡っては、国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が先月、「1.5度目標」達成のため30年に19年比で43%、35年に60%削減する必要があるとの報告書を公表した。G7声明案はこれを踏まえ、「遅くとも世界の温室効果ガスを25年までに減少に転じさせ、50年までに実質ゼロとするため、すべての関係者に経済を移行する取り組みを呼び掛ける」と盛り込んだ。
G7各国は、既に30年の温室効果ガスの排出削減目標を設定済み。米国は05年比で50~52%、英国は1990年比で68%以上、ドイツやフランス、イタリアは同55%以上それぞれ削減する。日本は30年度に13年度比で46%削減する目標を掲げている。
さらにパリ協定は、各国に対し25年までに35年の新たな目標を提示するよう求めている。声明案で示された「35年60%削減」は、各国にとって高いハードルとなる。