メキシコ、4~6月のGDP確定値0.9%増 自動車生産回復

メキシコでは自動車の生産台数が回復傾向にある(グアナフアト州にある米GMの工場)=ロイター

【メキシコシティ=清水孝輔】メキシコの国立統計地理情報院(INEGI)が25日発表した2022年4~6月期の実質国内総生産(GDP)の確定値は、前四半期比で0.9%増だった。7月に発表した速報値から0.1ポイント下方修正した。自動車の生産台数が回復した。ただ米経済の減速によって先行きの不透明感は増している。

実質経済成長率がプラスになるのは3四半期連続。22年1~3月期は前四半期比で1.0%増だった。22年4~6月期の分野別は、農業や石油などの第1次産業、製造業や工業などの第2次産業、金融・サービス業などの第3次産業が全て前四半期比で0.9%増だった。

INEGIによると、自動車の輸出額は22年1~6月に782億9920万ドル(約10兆7000億円)と前年同期比で11.5%増えた。1~7月の自動車の生産台数は前年同期比4.8%増の約192万台だった。足元では半導体不足が解消しつつあり、主な輸出先である米国の堅調な需要を背景に輸出が増えた。

ただ先行きは不透明だ。米商務省が25日発表した4~6月期のGDP(季節調整済み)改定値は、前期比年率換算で0.6%減った。米国はメキシコにとって輸出の約8割を占める最大の貿易相手だ。米経済の減速が続けばメキシコ経済も打撃を受ける可能性が高い。

メキシコ銀行(中央銀行)が民間銀行など38機関の予測をまとめて1日に公表した調査では、22年通年の実質経済成長率の見通し(中央値)は1.8%だった。7月公表時点の予測を据え置いた。23年通年の予測は1.6%と7月公表時点の1.9%から下方修正した。

出典:日本経済新聞

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