ドイツ消費者物価、3月7.8%上昇 大幅鈍化も予想上回る

【ベルリン=南毅郎】ドイツ連邦統計庁が30日発表した3月の消費者物価指数(速報値)は、欧州連合(EU)基準で前年同月比7.8%上昇した。伸び率は2月の9.3%から大幅に鈍化したものの、市場予想の7.5%を上回った。ウクライナ侵攻に伴う資源高が落ち着く半面、食品やサービスの価格高騰でインフレ率は高止まりしている。

インフレ率の鈍化は2カ月ぶりで、2022年4月と同じ水準まで下がった。ドイツの消費者物価は22年10月の11.6%をピークに鈍化基調にあるものの、ウクライナ侵攻から1年を迎えてもインフレ基調の強さが目立つ。

EU基準に対して国内基準の伸び率は7.4%と2月の8.7%から鈍化した。品目別ではエネルギーが3.5%と同19.1%から大幅に落ち込んだ。一方、食品は22.3%と同21.8%から加速し、サービスも4.8%と同4.7%から一段と上昇した。インフレの軸足が天然ガスなどの資源から食品やサービスなど幅広い品目に広がりつつある。

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