コロナ破たん、7カ月連続で200件超え 累計は5834件「新型コロナウイルス」関連破たん【3月23日16:00現在】

3月23日は「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が9件判明、全国で累計5,549件(倒産5,346件、弁護士一任・準備中203件)となった。
件数は2022年に入って増勢を強め、9月(206件)、10月(226件)、11月(207件)、12月(243件)が判明し、2022年は前年(1,718件)から3割増の2,282件にのぼった。
2023年に入っても1月は245件、2月も249件で3カ月連続で月間最多を更新した。月間件数を日数で割った1日あたりの件数では2月は8.8件と初めて8件を超え、これまでの最多の2023年1月(7.9件)を大きく上回った。3月も23日までで212件が判明し7カ月連続で200件超となった。2月を上回り、4カ月連続で月間最多を更新する可能性が高まってきた。
倒産集計の対象外となる負債1,000万円未満の小規模倒産は累計285件判明した。この結果、負債1,000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破たんは累計で5,834件に達した。
国内の企業数(358万9,333社、2016年総務省「経済センサス」)を基にした比率では、コロナ破たん率は0.162%で1,000社に1社が破たんした計算となる。都道府県別で最も比率が高いのは東京都の0.284%、次いで宮城県の0.232%、福岡県と0.217%、大阪府が0.215%、栃木県の0.202%。一方、最低は宮崎県と山梨県が同率の0.068%で、地域によってばらつきもみられる。
企業は業績回復とともに、コロナ関連融資の元金据え置き期間の終了を控え、返済とコストアップへの対応の両立が求められている。体力を消耗した企業の脱落やあきらめ型を中心に、コロナ破たんは3月以降も増加傾向が続く可能性が高い。

【都道府県別】(負債1,000万円以上) ~ 100件以上は16都道府県に ~

 都道府県別では、東京都が1,121件と全体の2割強(構成比20.2%)を占め、突出している。以下、大阪府560件、愛知県280件、福岡県272件、神奈川県240件、兵庫県236件、北海道221件、埼玉県193件、千葉県145件、静岡県143件、宮城県134件、京都府126件、広島県119件、茨城県117件、栃木県111件、群馬県101件と続く。
23日は全国で9件判明した。10~20件未満が2県、20~50件未満が16県、50件~100件未満が13府県、100件以上は16都道府県に広がっている。

【業種別】(負債1,000万円以上) ~ 最多は飲⾷業の886件、建設業、アパレル関連が続く ~

 業種別では、コロナ禍での来店客の減少に加え、食材や光熱費高騰の負担も重い飲食業が最多で886件に及ぶ。行動様式の変化で客足が戻らず、経営体力の消耗やあきらめにより、飲食業の新型コロナ破たんはさらに増加する可能性が高まっている。
次いで、工事計画の見直しなどの影響を受けた建設業が645件に達した。小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)の413件。このほか、飲食業などの不振に引きずられている飲食料品卸売業が235件。インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響したホテル,旅館の宿泊業が173件と、上位を占めている。

【負債額別】(負債1,000万円以上)

 負債額が判明した5,484件の負債額別では、1千万円以上5千万円未満が最多の2,093件(構成比38.1%)、次いで1億円以上5億円未満が1,749件(同31.8%)、5千万円以上1億円未満が1,077件(同19.6%)、5億円以上10億円未満が289件(同5.2%)、10億円以上が276件(同5.0%)の順。  負債1億円未満が3,170件(同57.8%)と半数以上を占める。一方、100億円以上の大型破たんも14件発生しており、小・零細企業から大企業まで経営破たんが広がっている。

【形態別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した5,346件の形態別では、破産が4,819件(構成比90.1%)で最多。次いで取引停止処分が191件(同3.5%)、民事再生法が187件(同3.4%)、特別清算が125件、内整理が18件、会社更生法が6件と続く。
「新型コロナ」関連倒産の9割超を消滅型の破産が占め、再建型の会社更生法と民事再生法の合計は1割未満にとどまる。業績不振が続いていたところに新型コロナのダメージがとどめを刺すかたちで脱落するケースが大半。
先行きのめどが立たず、再建型の選択が難しいことが浮き彫りとなっている。

【従業員数別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、従業員数(正社員)が判明した5,302件の従業員数の合計は4万8,977人にのぼった。平均すると1社あたり約9人となる。
5,302件の内訳では従業員5人未満が3,104件(構成比58.5%)と、約6割を占めた。次いで、5人以上10人未満が1,001件(同18.8%)、10人以上20人未満が648件(同12.2%)と続き、従業員数が少ない小規模事業者に、新型コロナ破たんが集中している。
また、従業員50人以上の破たんは2021年上半期(1-6月)で17件、下半期(7-12月)で15件。2022年は上半期で24件に増加し、下半期も31件判明。2023年は現時点で13件判明している。

※企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
※原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものなどを集計している。
※東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。

0323未満

‌               (負債1,000万円未満含む)

 

0323コロナ率

‌               (都道府県別のコロナ破たん率、負債1,000万円未満含む)

出典:東京商工リサーチ

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