堀正工業株式会社 2023/6/8までに債務整理を弁護士に一任

ベアリング大手「NTN」の主要代理店
粉飾決算発覚
債務整理を弁護士に一任
TDB企業コード:985757133

負債300億円

堀正工業(株)が入居しているビル

「東京」  堀正工業(株)(資本金2000万円、品川区西五反田1-23-9、登記面=港区西新橋1-10-7、代表堀雅晴氏、従業員45名)は、6月8日までに債務整理を大野了一弁護士(港区虎ノ門1-15-12、虎ノ門南法律事務所、電話03-3502-6294)ほか5名に一任した。

現在、営業は継続しているが、今後については、事業継続の可能性の有無を判断したうえで法的整理の方針を決定する予定。

当社は、1933年(昭和8年)10月に創業されたベアリング販売会社の事業を承継すべく、48年(昭和23年)9月に設立された。50年3月にベアリング大手のNTN(東証プライム)の代理店指定を受け、以降は同社の主要代理店として展開。半導体、自動車、建設機械、鉄道、風力発電、液晶関連など大手メーカーを得意先に、各種ベアリングのほか、コンプレッサ、グリース等関連製品の販売を手がけていた。NTN製品以外にも、日本、中国、台湾、韓国などの各メーカーの商品群の中から得意先の要望に沿った最適な提案を行ってきた。専門スタッフによる積極的な技術サポートを強みに、国内販売のみならず、香港や上海などにも輸出。近年は新規事業として、ヘンプ(麻)を用いたバイオプラスチックの開発に進出するなど多角化を図り、半導体業界向けが堅調に推移した2022年9月期には年売上高約68億600万円を計上していた。

しかし今年5月に入り、不適切な会計処理を行うなかで多額の借入金を抱え、債務超過状態が続き、借入金の返済原資を確保できない状態であることが判明。金融機関からの新たな資金調達も厳しくなったうえ、ここにきて借入金の返済を迫られるなか、今回の事態となった。

負債は債権者約79名に対し300億円を超える見込み。

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『稀にみる大粉飾か』

当社は、ベアリング大手の一次代理店として、主力仕入れ先の元代表が当社の取締役に就任するなど関係を強化し、一定の信用力を有していた。しかし、突如5月に“複数の決算書が存在する疑い”が浮上し、その真実味は短期間で急速に鮮明になっていった。

粉飾決算の手法は、大きく「取引金融機関すべてに同一の偽の決算書を提出する」パターンと「取引金融機関ごとに異なった決算書を提出する」パターンがあるが、今回は後者で、銀行取引の明細を記載する書類を操作していたようだ。過去に倒産した(株)日食(大阪市北区、2016年破産、負債約108億1200万円)や(株)リファクトリィ(東京都中央区、2019年民事再生、負債約60億1300万円)も、同様の手法を用いていた。

驚くべきは、各金融機関が把握していた数値と実態がひどく乖離していること。多くの金融機関は、「平均5行に対して約50億円前後の有利子負債がある」と把握していたようだが、実際ノンバンクを含む金融債権者の数は10倍程度あると見られ、有利子負債も300億円を超える可能性が強まっている。昨今は倒産後に融資詐欺で逮捕される案件も発生している。当社についても粉飾の手口や目的、資金使途、指南者の有無などについて、実態解明に注目だ。
(情報取材課 記者 下川 純)

出典:帝国データバンク

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