2023年4月の全国企業倒産610件
倒産件数 | 負債総額 | |
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2023年4月 | 610 件 | 2,038億6,100万円 |
前年同月比 | + 25.51% | + 150.89% |
2022年4月 | 486件 | 812億5,300万円 |
前月比 | ▲ 24.59% | + 38.27% |
2023年3月 | 809件 | 1,474億3,400万円 |
4月の倒産 13カ月連続で前年同月を上回る、「物価高」倒産が2.3倍増
2023年4月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上は)は、件数が610件(前年同月比25.5%増)、負債総額は2,038億6,100万円(同150.8%増)だった。
件数は、2022年4月から13カ月連続で前年同月を上回った。13カ月連続で前年同月を上回るのは1999年11月-2000年11月以来、22年5カ月ぶり。増加率25%超は4カ月連続。
負債総額は、ユニゾホールディングス(株)(東京、負債1,261億9,800万円)の大型倒産が発生し、2カ月ぶりに前年同月を上回った。4月での2,000億円超は10年ぶり。
2023年4月の「新型コロナウイルス」関連倒産は235件(前年同月比52.5%増)で、2022年9月から8カ月連続で200件超で推移。2020年2月からの累計は5,786件に達した。
・「後継者難」43件(前年同月37件)、「人件費高騰」8件、「求人難」3件
・形態別件数:破産が557件。法的倒産の構成比は97.2%
・都道府県別件数:前年同月を上回ったのが26都道府県、減少15府県、同数6県
・負債別件数:負債1億円未満の構成比74.9%、100億円以上が3カ月連続で発生
・業種別件数:繊維・衣服等卸売業、飲食業、印刷・同関連業などが増加
・従業員数別件数:10人未満の構成比が88.1%、300人以上が2カ月連続で発生
・中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)は100.0%
産業別 10産業のうち、小売業を除く9産業で前年同月を上回る
2023年4月の産業別件数は、小売業を除く9産業で前年同月を上回った。
最多はサービス業他の191件(前年同月比23.2%増)で、8カ月連続で前年同月を上回った。月次倒産に占める構成比は31.3%(前年同月31.8%)だった。
次いで、建設業が134件(前年同月比65.4%増)で4カ月連続、製造業が77件(同26.2%増)で9カ月連続で、それぞれ前年同月を上回った。円安やウクライナ情勢による資材や原材料、光熱費の高騰などの影響を大きく受けている。
このほか、運輸業24件(同9.0%増)と情報通信業27件(同68.7%増)が7カ月連続、不動産業が19件(同46.1%増)で6カ月連続、金融・保険業が4件(同100.0%増)で3カ月連続、農・林・漁・鉱業が8件(同33.3%増)で2カ月連続、卸売業が66件(同20.0%増)で2カ月ぶりに、それぞれ前年同月を上回った。
一方、小売業が60件(同20.0%減)で、5カ月ぶりに前年同月を下回った。
地区別 倒産件数、中部、中国を除く7地区で増加
2023年4月の地区別件数は、9地区のうち中部と中国を除く7地区で前年同月を上回った。
関東252件(前年同月比57.5%増)が、12カ月連続で前年同月を上回った。このほか、九州47件(同14.6%増)が10カ月連続、北海道17件(同6.2%増)と近畿148件(同14.7%増)が5カ月連続、北陸14件(同55.5%増)が2カ月連続、東北25件(同13.6%増)が2カ月ぶり、四国16件(同166.6%増)が3カ月ぶりに、それぞれ前年同月を上回った。
一方、中部が68件(同13.9%減)で5カ月ぶり、中国が23件(同4.1%減)で4カ月ぶりに、それぞれ前年同月を下回った。
※地区の範囲は以下に定義している。
東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
北陸(富山、石川、福井)
近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
四国(香川、徳島、愛媛、高知)
九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)
当月の主な倒産
[負債額上位5社]
1.ユニゾホールディングス(株)/東京都/純粋持株会社/1,261億9,800万円/民事再生法
2.(医)社団心和会/千葉県/病院経営/132億円/民事再生法
3.テラファーマ(株)/東京都/再生医療等製品開発/19億7,200万円/破産
4.(有)白扇/鳥取県/温泉旅館経営/16億円/民事再生法
5.(株)トキワメディアサービス/埼玉県/印刷業/13億7,000万円/破産
出典:東京商工リサーチ