旭金属熱錬株式会社

旭金属熱錬株式会社

パチンコホールの運営
新型コロナウイルス関連倒産
自己破産申請へ
TDB企業コード:580233051

負債31億8500万円

「大阪」 旭金属熱錬(株)(資本金3200万円、大阪市住之江区中加賀屋3-13-4、代表南武志氏、従業員60名)は、8月30日に事後処理を崔勝弁護士(大阪市北区西天満5-1-9 大和地所南森町ビル9階、ミネルヴァ法律事務所、電話06-4709-1233)ほか1名に一任、自己破産申請の準備に入った。

当社は1931年(昭和6年)創業、54年(昭和29年)12月に法人改組した。当初は船舶向け金属部品の熱処理加工を行っていたが、80年代に入るとパチンコホールの運営にシフト。「ハイパーアサヒ」などの名称でホールの運営を手がけ、大阪市内のほか、大阪府南部および北摂エリアで11店舗を展開するアサヒグループを形成して規模を拡大。当社は2007年9月期には年収入高約64億1200万円を計上していた。

しかし、それ以降は改正風営法に基づく出玉性能制限機種(いわゆるパチスロ5号機)への切り替えに端を発する業界不振の影響に加え、同業他社との顧客争奪戦の激化などで収入高は減少傾向で推移。グループ全体で抱えていた有利子負債の返済が重荷になり資金繰りも悪化していた。さらに2020年以降は新型コロナウイルスの影響で一時休業を余儀なくされたうえ、その後の来店客数も低調に推移。グループ全体では不採算店舗の閉鎖や経営権の譲渡を実施するほか、2022年5月にはグループ7社を吸収合併するなどで合理化を進めていたが、同年7月末には所有不動産に対し債権者から仮差押えが登記されるなど、ひっ迫した資金状況を露呈。事業継続は困難と判断し、今回の事態となった。

負債は現在調査中。2021年6月期末時点(決算期変更)で約31億8500万円だが、その後に店舗閉鎖・売却やグループ再編を実施しており、大きく変動する可能性がある。

なお、代表を兼務しているグループ数社に関しても、一部は同弁護士が債務整理を受任しており、自己破産または民事再生法適用の申請を検討するとしている。

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