はじめに
株式会社トータルラインパック津山は2021年3月1日に釧路地裁根室支部で破産開始の決定を受けました。住所は北海道目梨郡羅臼町知昭町429、設立は1988年12月、資本金は3000万円。また関連会社の株式会社北海道ニーズも同様の決定を受けています。設立は2001年11月、資本金は1億2137万5000円。破産管財人は梅本英広法律事務所、住所は北海道標津郡中標津町東6条南3-15-1。負債総額はトータルラインパック津山が2億4700万円、北海道ニーズが9億5100万円で合計11億9800万円程度。
トータルラインパック津山
トータルラインパック津山は創業当初から水産加工業を主力に経営を行っていましたが、1997年1月からは木製の魚箱の製造や発泡スチロール箱さらに包装資材の販売に業態を転換しました。本社は羅臼町にあって支社が浦河町にもありました。水産加工会社や漁協をメインに販路開拓を行っていました。
売り上げの不振が続く
最盛期の2006年9月には年間7億2432万円の売り上げを記録も、不漁と木製の魚箱の需要が減少したことで2019年12月には売り上げが年間ベースで2億8000万円程度にまで減少しました。売上の低下で採算にも影響が出たこと、さらに赤字が続いていたことやそれを埋めるための資金確保にも見通しが立たずに今回の措置に至りました。
北海道ニーズ
北海道ニーズは漁業資材の販売兼レンタルの業者で木製魚箱の代用品として、環境や衛生の問題さらに産業廃棄物や容器包装リサイクル法への対応を目的としたプラスチック製の魚箱のリサイクルシステムを開発しました。また移動式の製氷装置を積載した車両によってプレート氷・クラッシュアイス・フレームアイスなどの製造や販売にも力を入れていました。
こちらも売り上げの不振で
再利用が可能なプラスチック製の魚箱のニーズの拡大によって売上を伸ばしていきました。2007年12月の最盛期には年間9億6600万円を計上します。その後イクラやタラさらにサンマなどが悉く不漁に陥って需要がなくなっていき、2019年12月の売上は年間で3億7500万円にまで落ち込んでいました。またプラスチック製の魚箱にリサイクルシステムに対しての設備投資の負担が重しになって多額の有利子負債を抱えることになったのもマイナスになりました。トータルラインパック津山に続いて営業が困難になって今回の措置になりました。
参考資料・出典
東京商工リサーチ:https://www.tsr-net.co.jp/news/tsr/20210303_01.html