円の1月半ば以降の下げ幅は既に7%を上回る。日銀が昨年12月にイールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)の許容変動幅拡大を決定したことで、利上げの可能性を巡る臆測が広がり円相場は反発したが、その上昇の大部分が失われた。
円の動きは日銀に対する期待の後退と、米金融引き締めに賭ける投資が勢いを増しドル相場を押し上げたことで説明が付くが、商品価格下落にもかかわらず輸出の失速で膨らみ続ける貿易赤字も根底にある。
エネルギーおよび農産品の価格が下がっても、日本の主要輸出セクターの活動は一部苦しい状況が続く。経済産業省が2月28日に発表した1月の鉱工業生産指数には、自動車および半導体装置生産の著しい減速が反映された。
ここ数年は貿易障壁が世界的に増し、競争環境は厳しくなるばかりだが、自動車輸出で日本と競合する中国と韓国の通貨も大きく下げている。競争についていくには、日本は相対的な通貨高を意識する必要があるかもしれない。それはどこまで利上げの用意があるかという日銀の意思にふたをし、国内のインフレ圧力悪化を招く恐れもある。
原題:Yen at Risk of Being Dragged Down by Japan’s Sputtering Exports(抜粋)
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