はじめに
東京株式会社KS(旧株式会社光商)は令和3年5月19日に東京地裁から特別清算の開始命令を受けました。住所は東京都台東区入谷2-36-10、資本金は7100万円。申請代理人は弁護士法人関西法律特許事務所東京事務所、住所は中央区京橋1-6-12。
KS社の事業は
株式会社KSは1988年3月に設立しました。製造を中国の協力工場や国内の外部業者に委託する形でキムチやはちみつを中心に漬物・梅干し・めんつゆ・なべつゆ・パスタソース・レトルト食品などのプライベートブランド商品や自社開発のオリジナル商品の販売のほかに、イタリアンレストランの運営を手がけていました。
中国の国内に独自の協力工場や調達先を確保して顧客のニーズに迅速に対応できることを強みとしていたこと、また最近では中国製の食品の安全性の問題に加えて、短期間の納期に対応していくために、2014年9月に群馬工場、2018年1月に千葉工場を開設しました。全国の食品専門商社を得意先にして、2018年4月に年売上高80億4400万円を上げています。
調達コストに苦戦
ただ同期に調達コストに加えて、千葉工場の稼働に伴う費用などがかさんでいて、当期の純損失であるおよそ5億3800万円を計上してしまいます。また翌2019年4月において、利幅の薄い取引の見直しや千葉工場の稼働不足、一部受注の翌期への持ち越し、さらにはイタリアンレストランなどの休業によって、年の売上高は76億1500万円に減少しました。ここに伴って当期の純損失がおよそ4億3900万円を計上するなどで2期連続での赤字決算となったことで債務超過となりました。
このため群馬・千葉工場での稼働の効率化や利益率の低い輸入食材の見直しや経費の削減などで経営の改善に乗り出すも功が奏さず、また金融機関からの借入金の返済の負担も重く、資金繰りが悪化していました。
再建を図る
このような中で再建を図るべく外部企業とのスポンサー契約を締結しています。再建のスキームとして、2019年10月1日に会社分割によって設立された新会社の株式会社光商に事業の大半を譲渡すると同時に、商号を株式会社KSに変更したのちに、2020年12月10日の開催に株主総会の決議によって解散をしています。
参考資料・出典
帝国データバンク:https://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/4797.html