川越管財株式会社さいたま地裁川越支部より特別清算開始命受ける

負債50億円

「埼玉」 川越管財(株)<旧:日測エンジニアリング(株)>(資本金3515万円、日高市旭ケ丘620-1、代表清算人八田尚行氏)は、8月31日にさいたま地裁川越支部より特別清算開始命令を受けた。

川越管財株式会社

当社は、1974年(昭和49年)9月創業、75年(昭和50年)1月に法人改組。環境試験装置の製造業者で、各種の複合環境試験装置(バイブロチャンバー)の開発・製造・販売を行い、あわせて環境試験の受託、また各機器のメンテナンス作業なども手がけていた。当地ではトップクラスの業容を誇る環境試験装置メーカーで、恒温恒湿チャンバーを主力に、振動や騒音、VOC、減圧・低温環境、人工気候など、各種の環境試験に対応する装置を幅広く開発。本店工場に試験センターを整備し、東京都内に営業所を開設するほか、台湾や上海には関係会社を有していた。製品は、標準品からフルオーダー品まで取りそろえるなど高い技術開発力を強みに、大手企業をはじめ国内外に数多くのユーザーを確保。2012年8月期には年売上高約10億4500万円を計上していた。

その後は、景気の回復を背景に各企業の設備投資も積極化したことから、当社の受注も徐々に拡大し、2017年8月期は年売上高を約26億2100万円にまで伸ばしていた。この間、2015年に三重県四日市市内に東海事業所を開設。2017年7月には投資会社より資本増強を受け、続く2018年には、神戸市西区内に神戸事業所を開設するなど、業容拡大を精力的に進めていた。

しかし、これらの投資に要した金融機関からの借入金が多額にのぼり、有利子負債は年商を大幅に上回る水準にまで達し、利払い負担も重みを増して収益面を圧迫していた。以降、業容は急激に不安定化し、対外信用の著しい悪化を招き資金調達も限界となったことで自主再建を断念。事業の大半を別会社に譲渡し、当社は2021年5月31日に商号を変更のうえ会社を解散。特別清算により多額の負債を処理することとなった。

 申請時の負債は約50億円の見込み。

参考資料・出典
東京商工リサーチ:https://www.tsr-net.co.jp/news/tsr/20210908_03.html

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