鷹正宗(株)ほか1社 2023/6/1、福岡地裁に民事再生法の適用を申請

~天保年間創業の地場老舗酒蔵~

鷹正宗(株)(久留米市)と、関連の叡醂酒造(株)(えいりんしゅぞう、同市)は6月1日、福岡地裁に民事再生法の適用を申請した。
申請代理人は管納啓文弁護士(弁護士法人みらい法律事務所、福岡市中央区警固1-12-11)。
負債は、鷹正宗が約36億8300万円、叡醂酒造が約2億5100万円(いずれも2022年12月期決算時点)で、2社合計約39億3400万円。

鷹正宗は天保年間創業の老舗酒蔵。「鷹正宗」のブランドで清酒の醸造を手掛け、高い知名度を有していた。清酒離れが進むなか、近年は低価格帯の焼酎製造にも注力。焼酎は麦焼酎を主体にパックの「めちゃうま」シリーズや、量り売りの「ごりょんさん」などを製造していた。
1988年8月には大手飲料メーカーが資本参加し、傘下入りしたが、2008年6月には(株)原武商店(久留米市)が当社株式を取得して、代表取締役会長に原武商店社長の原武康弘氏が就任。以降は原武商店のグループ企業として新体制による業務を開始した。
酒類の小売・卸売を手掛ける原武商店との相乗効果により、グループ業績は拡大していたとされていたが、実際には業績不振に陥っていた模様で、2023年2月末には原武商店がバンクミーティングを開催。これを機に同社の粉飾決算が明るみとなり、動向が注目されていた。
こうしたなか、原武商店が2023年5月末までに事業を停止し、6月1日に福岡地裁へ破産を申請。これに連鎖する形で、鷹正宗と叡醂酒造の2社は民事再生法を申請した。

※鷹正宗(株)(TSR企業コード:870017942、法人番号:1290001049123、久留米市小頭町8-12、設立1935(昭和10)年11月、資本金9000万円)

※叡醂酒造(株)(TSR企業コード:870311832、法人番号:4290001050664、同所、設立1985(昭和60)年4月、資本金9000万円)

※(株)原武商店(TSR企業コード:870043412、法人番号:8290001049439)

出典:東京商工リサーチ

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