「水族館の神」プロデュースの「川崎水族館」(カワスイ)運営
新型コロナウイルス関連倒産、「川崎水族館」の運営会社
民事再生法の適用を申請
TDB企業コード:292053469
「東京」 (株)アクア・ライブ・インベストメント(資本金2億600万円、東京都千代田区内幸町2-2-3、代表坂野新也氏)と関係会社の(株)アクア・ライブ・ネイチャー(TDB企業コード:285054297、資本金990万円、同所、同代表)、(株)アクア・ライブ・ギフト(TDB企業コード:716054253、資本金990万円、同所、同代表)の3社は、3月28日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全・監督命令を受けた。
申請代理人は金井暁弁護士(東京都千代田区麹町2-3、大知法律事務所、電話03-6261-2501)ほか4名、監督委員には大澤加奈子弁護士(東京都千代田区大手町1-7-2 、梶谷綜合法律事務所、電話03-5542-1453)が選任されている。
(株)アクア・ライブ・インベストメントは、2019年(平成31年)3月に設立。「水族館の神」と呼ばれる代表坂野氏が設立したベンチャー企業で、グループ会社に施設運営を委託する形で、「川崎水族館(カワスイ)」(川崎市川崎区)を運営していた。同氏は、1973年に沖縄海洋博覧会水族館プロジェクト(現・沖縄美ら海水族館)への参画以来、過去には葛西臨海水族園、サンシャイン国際水族館リニューアル、足立生物園、東京ディズニーランドカリブの海賊ジャングルクルーズなど名だたるプロジェクトを手がけてきた実績を有するなど、50年近くにわたり数多くの水族館づくりに携わってきた。「川崎水族館(カワスイ)」は、都市型の水族館で、「世界の美しい水辺」をテーマに、世界各地の生きものを光・音・映像など五感で感じる新感覚のエンターテインメントで、2020年12月期には年収入高約2億500万円を計上していた。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響や緊急事態宣言の発出などにより、2020年7月の開館以降、入場者数が伸び悩んでいたことに加え、2022年以降もオミクロン株の影響により入場者数の減少に歯止めがかからないなか、追加の資金調達が困難となり、グループの事業運営に必要な資金が確保できず、法的手続きにより再建を目指すこととなった。
関係会社の(株)アクア・ライブ・ネイチャーは2019年(令和元年)12月に設立、(株)アクア・ライブ・ギフトは、2019年(令和元年)12月に設立。これら2社も連鎖する形となった。なお、アクア・ライブ・インベストメントグループは、「川崎水族館」運営のための資金調達を目的として設立された川崎水族館合同会社に対して、債権者として同日、民事再生法の適用を申請しており、保全・監督命令を受けている。
負債は現在調査中。
なお、同日、(株)イグニス(TDB企業コード:235057881)が(株)アクア・ライブ・インベストメント、(株)アクア・ライブ・ネイチャー、(株)アクア・ライブ・ギフト、川崎水族館合同会社との間で、事業再生を支援することを目的とする基本合意書を締結している。営業に関しても通常通り継続している。
出典:帝国データバンク