2022年6月の「円安」関連倒産はゼロ、2カ月連続で発生なし
6月29日の外国為替市場は一時、1ドル=137円台まで円安が加速した。日本銀行の東京市場ドル・円スポット(17時時点)でも6月1日の1ドル=129.4円が、29日には1ドル=136.03円まで、1カ月で6.63円も円安が進み、円安基調が強まっている。
6月の「円安」関連倒産はゼロ(前年同月1件)だった。これで5月に続き2カ月連続で発生がなかった。だが、円安はジリジリと中小企業の経営に悪影響を及ぼしている。円安が輸入物価を引き上げ、個人消費への影響も危惧されている。また、中小企業では原材料や資材高、燃料価格の上昇分を価格転嫁することが難しいなか、追い打ちをかけるように円安が収益を圧迫し、資金繰りの悪化に拍車を掛けることが懸念される。
さらに、ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格や食料価格などの上昇も懸念材料で、コロナ禍での業績低迷からの脱却は容易でない。
円安が加速すると1ドル=140円台も現実味を帯びてくる。中小企業の採算を一段と悪化させ、企業体力の消耗とともに、倒産件数を押し上げることが予想される。