「新電力会社」事業撤退動向調査(6月)

新電力苦境、1割超が「契約停止・撤退」へ 2カ月で3倍に急増
~ 調達価格高騰で「逆ザヤ」常態化も 継続困難な企業相次ぐ ~

はじめに

帝国データバンクが5月に行った調査では、新電力を利用する企業の7割が「同じ新電力を引き続き利用する」と回答した。電力調達価格の高騰で、新電力でも値上げに踏み切るケースが増えているものの、大手電力より割安な価格を背景に顧客の囲い込みに注力している。

一方、経済産業省によれば、電力小売業者の倒産や撤退などで契約の継続が難しくなり、大手電力会社等から供給を受ける「電力難民」企業が、5月に入り1万3045件発生した。3月は5477件、4月に5133件発生したが、5月は1万件を大きく超えている。電力調達価格の高騰で利益確保が困難になった新電力の相次ぐ撤退や倒産が利用者にも大きな影響を及ぼしており、発電設備を持たない売電事業の限界も露呈している。「割安な時期に参入し、高騰時に撤退するのは無責任」といった不満も聞かれ、新電力の撤退や倒産が今後さらに加速する可能性がある。

調査結果

  •  新電力の撤退や倒産で「電力難民」企業5月は1万3000件 ビジネスモデルに「限界」指摘も
  •  撤退相次ぐ新電力、1割が契約を停止・撤退へ 倒産も発生
  •  販売1メガワット時の利益は前年比97%減 暖房需要で供給増の1月は「逆ザヤ」に

出典:帝国データバンク

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