「円安倒産」急増
~ 10月は今年最多に並ぶ 2022年累計も過去5年で最多へ ~
はじめに
10月20日の外国為替市場で、約32年ぶりの円安水準となる1ドル=150円の大台を突破した。こうしたなか、政府・日銀は投機的な円売りを牽制する「円買いドル売り」の為替介入に踏み切り、円ドル相場は一時6円前後急騰したが、為替安定化への効果は限定的なものにとどまった。
帝国データバンクが7月に実施したアンケート調査では、中小企業など約1.1万社のうち6割超が、円安が自社業績に「マイナス」の影響があると回答。また、8月に実施した別のアンケートでは約8割が「急激な円安によるコスト増加を実感している」と回答した。足元では燃料費や電気代をはじめ、あらゆる物価が高騰しており、中小・零細企業の収益を圧迫し続けるなか、「円安倒産」は今後しばらく増加基調で推移する可能性が高い。
■円安倒産[定義]=法的整理(倒産)企業のうち、円安の影響を受けて倒産した企業を対象に集計
調査結果
- 円安倒産が8月以降急増、食品、繊維を中心に今後さらに増加へ
- 10月の「円安倒産」は今年最多 2022年も過去5年で最多更新へ
出典:帝国データバンク