【ニューヨーク=佐藤璃子】米ミシガン大が16日に発表した6月の消費者態度指数(速報値)は63.9と、前月の確報値である59.2から4.7ポイント上昇した。ダウ・ジョーンズまとめの市場予測(60.2)を上回り、2月以来、4カ月ぶりの高水準となった。1年先と5年先の物価見通しを示す予想インフレ率もそれぞれ前月から低下した。
消費者態度指数は、過去最低を記録した2022年6月から13.9ポイント改善した。短期的な物価見通しを示す1年先の予想インフレ率は3.3%と前月から0.9ポイント低下し、21年3月以来の低水準となった。5年先の予想は3.0%と前回から0.1ポイント小幅に低下した。
同大の調査分析担当のジョアン・シュー氏は「インフレ圧力が緩和傾向にあり、米連邦政府の債務上限問題も決着したことで、消費者に楽観的な見方が広がった」と指摘した。
「現在の景況」を示す指数が68.0で3.1ポイント、「今後の見通し」が61.3で5.9ポイントそれぞれ前月から上向いた。シュー氏は「消費者心理は上昇基調となっていく可能性があるものの、収入への期待は下がっており、歴史的に見れば依然として低水準で推移している」と解説。消費者の大多数は、今後1年間で経済的に厳しい状況を迫られることを予想しているという。
出典:日本経済新聞