【デトロイト共同】日本や米国など14カ国は27日、新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の閣僚会合を米デトロイトで開き、サプライチェーン(供給網)を強化する協定を結ぶことで実質妥結した。重要鉱物や半導体、医薬品といった重要物資が途絶するリスクへの対応強化が柱。水素活用の新たな枠組みもつくる。昨年5月の発足から1年で、初の具体的な成果となる。 【写真】次世代半導体開発、行程表策定へ 日米協力、量子やバイオも
西村康稔経済産業相は記者団に対し「供給網を巡る多国間の協定は世界で初めてだ」と述べた。インド太平洋地域で覇権を強める中国を念頭に、供給網などでの依存を脱却する狙いがある。 IPEFは「貿易」「供給網」「クリーン経済」「公正な経済」の4分野で協議を進めている。今回は交渉が比較的早く進んだ供給網に焦点を当てて先行的に妥結した。 供給網強化では新設する協議会で各国共通の重要部門や物資を特定し、調達先を増やすなどの対応を平時から進める。問題が発生した際には、途絶に直面した国がIPEFの危機対応ネットワークを通じて支援を要請し、他国が支援する。