厚生労働省が31日に発表した2月の有効求人倍率は1.34倍(季節調整値)と、前月から0.01ポイント低下した。有効求職者数は185万8599人で前月から1.6%増え、有効求人数の伸び率の0.8%を上回った。景気の持ち直しや賃上げへの期待感から求職の動きが広がり、有効求人倍率の低下につながったとみられる。
総務省が同日発表した2月の完全失業率は2.6%と前月比0.2ポイント上昇した。失業率の悪化は5カ月ぶり。
有効求人倍率は全国のハローワークで仕事を探す人1人当たり何件の求人があるかを示す。倍率が高いほど職を得やすい状況となる。新型コロナウイルスの感染状況の落ち着きなどを背景に求職の動きが広がり、2カ月連続で前の月を下回った。
景気の先行指標とされる新規求人数は92万6278人と前年同月比10.4%増えた。宿泊・飲食サービスは、インバウンド需要の増加などから37.2%増加した。建設業や製造業は0.2〜0.3%増にとどまる。人手不足感はあるものの、原材料の高騰などのため求人の増加に踏み切れない産業もある。
出典:日本経済新聞