九州電通株式会社などが民事再生法の適用を申請

はじめに

長崎の九州電通株式会社と関係会社のハイテック株式会社が令和3年6月9日に東京地裁に民事再生法の適用を申請。同日に保全命令を受けています。住所は長崎県大村市福重町340、資本金は1000万円。申請代理人は阿部・井窪・片山法律事務所、住所は東京都中央区八重洲2-8-7。

九州電通株式会社とは

九州電通株式会社は水晶デバイス業者の製造部門を分社化する形で1973年6月に設立しました。携帯電話の基地局などの通信機器に利用される水晶の発信機の製造を中心に資源探査衛星などに利用される水晶フィルター、半導体素子製造の材料となるウエハーなどの原材料の卸やシリコン・ウエハーの再生事業、中国現地法人向けの製造業務にかかる原材料の卸も行っていました。国内の大手電子メーカーに販売しているほかに中国を含む東南アジアやアメリカさらにはヨーロッパなどの同様のメーカーにも販売。2001年6月期には年売上高73億4300万円を計上しました。

同業他社との厳しい価格競争

ただ同業他社との厳しい価格競争に加えて、中国国内での市場の停滞や中国さらには台湾の現地企業にもシェアを奪われたことで受注が減少します。収益も低調に推移します。2018年には長崎県中小企業再生支援協議会を通しての改善計画を策定します。内容は借入金の返済猶予などの金融支援を受けます。同年7月には長崎県信用保証協会から一部代位弁済を受けていました。厳しい経営を強いられる中で2019年6月期には年売上高がおよそ12億円までダウンします。インドネシアの合弁会社の生産に伴う特別損失の発生もあって14億円の当期の純損失を計上。債務超過に転落したほかに今年3月の複数の債権者から破産を申し立てられていました。会社側としてはスポンサー企業の支援を前提とした再建を目指していて、そのスポンサーの目途が立ったので民事再生法の適用を目指すことになりました。

ハイテックとは

ハイテックは1983年2月に設立。九州電通が保有する本社不動産の管理を行っていたほか、九州電通に連鎖する形で経営をしていました。

負債は34億円超

負債は九州電通が債権者110名に34億円ほど。ハイテックは債権者1名に5600万円ほどで2社合計で34億5600万円ほど。6月15日には「オフィス東京」で債権者説明会を行う運びとなっています。長崎県下では株式会社東洋館が2017年3月におよそ37億円の負債で倒産をしています。それ以来4年ぶりの大型倒産で令和では最大規模の倒産になりました。

参考資料・出典:
帝国データバンク:https://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/4798.html

 

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