電力小売
電力取引価格の高騰の影響
破産申請へ
TDB企業コード:826056693
負債300億円
「福岡」 (株)ホープ(TDB企業コード:800790394、資本金27億1660万1932円、福岡市中央区薬院1-14-5MG薬院ビル、代表時津孝康氏、東証マザーズ、福証Q-Board上場)は、3月22日開催の取締役会において、100%子会社である(株)ホープエナジー(TDB企業コード: 826056693、資本金1000万円、同所、同代表)の破産手続き開始の申し立てを行うことを決議した。破産申し立ては今年3月下旬から4月初旬になる見込み。
(株)ホープエナジーは、2020年(令和2年)10月に設立。親会社で、電力販売事業を手がけていた(株)ホープに対しAI技術を用いて電気やガス等のエネルギーの売買に関する支援業務を手がけていた。2021年12月には(株)ホープの持株会社体制への移行に伴い電力小売事業を承継し、グループの2021年6月期のエネルギー事業売上高は約326億6300万円を計上していた。
しかし、2020年12月中旬から2021年1月下旬まで続いた電力取引価格の高騰によって、電力供給量の不足が発生した場合に、電力会社が補給する不足分のペナルティ(不足インバランス料金)が2021年1月分で約65億円発生したことで、2021年6月期末におけるグループの営業損失約68億円を計上していた。不足インバランス料金を補うべく、経産省が認可した分割払いの特例措置を申請するほか、第三者割当増資や行使価額修正条項付新株予約権、私募債の発行などで資金調達をしていたが、2021年10月以降に電力取引価格が再び高騰し、業況は苦戦を強いられていた。同年12月には1度目のインバランス料金の支払いを完了していたものの、2022年3月中旬に支払うべき託送料金が未払いとなり、取引のあるすべての一般送配電事業者との託送供給契約が、3月22日までをもって解除され、事業継続が困難となっていた。
負債は約300億円だが、今後変動する可能性がある。
なお、九州・沖縄地区で負債総額が300億円以上となるのは、(株)福岡センチュリーゴルフ倶楽部(TDB企業コード:800371628、朝倉市、2011年6月民事再生、負債約349億7200万円)以来、10年9カ月ぶり。
出典:帝国データバンク