放送設備局の管理運営
V-Lowマルチメディア放送「i-dio(アイディオ)」に関する放送設備管理運営
特別清算開始命令受ける
TDB企業コード:182011641
負債73億7000万円
「東京」 (株) VIP(資本金1000万円、千代田区麹町1-7、代表清算人仁平成彦氏)は、1月30日に東京地裁より特別清算開始命令を受けた。
当社は、2014年(平成26年)1月、今年1月12日に東京地裁より特別清算開始命令を受けた(株)ジャパンマルチメディア放送(TDB企業コード:895011656)から全額出資を受け、設立された。アナログ放送終了後のVHF-Low(以下V-Low)帯の電波を用いて映像、音声、データ放送などの多様なサービスを地域ごとに配信、提供するV-Lowマルチメディア放送に関わる放送設備局の管理運営事業を手がけていた。
V-Lowマルチメディア放送は、2016年3月に「i-dio(アイディオ)」のサービス名で東京、大阪、福岡の3つのエリアでプレ放送を開始。グループ会社(7地域で6つの放送局)が多数のコンテンツプロバイダー(以下CP)を得意先として、CPから音声や画像、データなどのデジタル放送を受注。放送設備を設置する子会社の放送設備を利用し、ニュースや音楽、渋滞情報、災害情報、緊急警報などをスマートフォンやタブレット端末、カーナビ、専用端末等を通して視聴者に届け、エンドユーザーの大半は地方自治体となっていた。そうしたなかで、当社はマルチメディア放送、インターネットラジオ向けの放送局設備管理の運営を行い、2017年3月期には年収入高約11億5800万円を計上していた。
しかし、グループを形成していた(株)エフエム東京がリスナーの減少が続くラジオ業界の事業領域拡大を目指し、ラジオの一斉同報性とインターネットの双方向性を融合させようとした戦略事業であったが、子会社の放送局各社が思うような業績を上げられず、厳しい運営を強いられていた。こうしたなか、(株)エフエム東京が、i-dio事業の継続について検討した結果、今後も収益改善が見込めないと判断し、2020年3月末をもって、i-dio放送を終了していた。
その後、会社運営体制を整理・縮小したうえで事業清算手続きを進めていたが、メドが立ったことから、2023年10月6日に株主総会の決議により解散していた。
負債は2021年3月期末時点で約73億7000万円だが、変動している可能性がある。
出典:帝国データバンク