【パリ=共同】フランスのボルヌ首相は29日、パリで開かれた経営者団体の集会で演説し、ロシアのウクライナ侵攻の影響で欧州での今冬のエネルギー不足が懸念されているのに伴い、国内企業に対して9月中に省エネ計画を策定するよう求めた。最悪の場合は使用量制限を導入しなければならないと警告した。
フランス政府は今後2年でエネルギー消費量を10%削減する目標を掲げ、各省などはそれぞれの省エネ計画を9月にまとめる。ボルヌ氏は「皆が責任を果たさなければ、使用量削減を強制しなければならない可能性がある。供給制限でまず影響を受けるのは企業だ」と強く注意を促した。
フランスは原子力発電の割合が高く、天然ガス調達でのロシアへの依存度は比較的低い。しかし、ボルヌ氏は「もしもロシアが欧州へのガス輸出を完全に停止すれば影響は強烈だ」とし、「わが国に危険はないと1秒たりとも思わないようにしよう」と強調した。
ボルヌ氏は策定された省エネ計画などを踏まえた上で、10月にエネルギー供給の見通しを示すことも表明した。
出典:日本経済新聞