円安により6割超が業績に悪影響
~ 原材料高騰などのコスト負担増、さらに外国人材の確保難などの問題も ~
はじめに
資源高や原材料高が続くなか、2021年後半から急速な円安が進んでいる。2022年7月14日には一時1ドル=139円台まで円安が進行。8月15日では133円台をつけている。さらに各国との貿易額やインフレ率を加味した実質実効為替レートは、固定為替レート制度だった1971年以来となる円安水準を記録した。また企業の想定レートと実勢レートの乖離がみられるなかで、円安にともなう企業業績への影響が懸念される。
そこで帝国データバンクは、円安による企業業績への影響について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2022年7月調査とともに行った。
■調査期間は2022年7月15日~7月31日、調査対象は全国2万5,723社で、有効回答企業数は1万1,503社(回答率44.7%)
■本調査における詳細データは景気動向オンライン(https://www.tdb-di.com)に掲載している
調査結果
- 円安により企業の6割超が業績に「マイナス」
円安が自社業績に「プラス」と考える企業は4.6%。「マイナス」は61.7%と6割超。特に「繊維・繊維製品・服飾品卸売」「専門商品小売」「飲食料品・飼料製造」など、アパレルや飲食料品関連で8割を超える - マイナスの理由、「コスト負担増」が約8割に
「マイナス」の理由では、「原材料価格の上昇でコスト負担が増えた」が79.2%でトップ。さらに「燃料・エネルギー価格の上昇でコスト負担が増えた」(72.6%)も7割台で続き、両者がマイナス理由として突出 - プラスの理由、4社に1社が「海外での販売価格低下で売り上げ増」を実感
「プラス」の理由では、「海外での販売価格(現地通貨ベース)が下がり売り上げが増えた」が26.3%でトップ。次いで「海外事業の円ベース利益が増えた」(22.7%)が続く
出典:帝国データバンク