半期 全国企業倒産状況 2022年度上半期(4-9月)の全国企業倒産3,141件

2022年上半期(1-6月)の倒産

年度上半期の倒産 3年ぶりに増加、新型コロナ関連倒産は1,121件

 2022年度上半期(4-9月)の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が3,141件(前年同期比6.9%増)、負債総額は1兆7,420億8,500万円(同203.1%増)だった。
件数は、4月から9月まで6カ月連続で前年同月を上回り、年度上半期としては3年ぶりに前年同期を上回り、2020年度以来、2年ぶりに3,000件台に乗せた。
負債総額は、年度上半期では2年ぶりに前年同期を上回った。負債が1兆円を超えたのは、2017年度の2兆1,173億7,800万円以来、5年ぶり。これは事業再生ADRによる再生手続を目指したが、全金融機関の同意を得られず、簡易再生手続(民事再生法)を申請したマレリホールディングス(株)(埼玉・負債1兆1,330億円)が押し上げた。
2022年上半期の「新型コロナウイルス」関連倒産は1,121件(同36.3%増)で、9月は過去最多の210件発生し、次第に増勢のピッチが上がっている。
産業別では、燃料価格の高止まりが続く運輸業が162件(同42.1%増)発生。このうち、道路貨物運送業は120件(同41.1%増)と大幅に増えた。

企業倒産上半期推移

  • 「後継者難」倒産が205件(前年同期181件)発生し、年度上半期では初めて200件超
  • 上場企業倒産は8月にテラ(株)が破産、年度上半期では2年ぶりに発生
  • 形態別件数:法的倒産の構成比が年度上半期としては最高の97.6%
  • 都道府県別件数:前年同期より増加が29都道府県、減少は16府県、同数が2県
  • 負債額別件数:負債1億円未満の構成比が71.1%、負債1兆円超が5年ぶりに発生
  • 業種別件数:老人福祉・介護事業、道路貨物運送業、印刷・同関連業などが増加
  • 従業員数別件数:10人未満の構成比が85.9%、年度上半期では2年ぶりに300人以上が発生
  • 中小企業倒産件数(中小企業基本法に基づく)は99.9%

産業別 10産業のうち、7産業で前年同期を上回る

 2022年度上半期の産業別件数は、10産業のうち、卸売業、小売業、不動産業を除く7産業で前年同期を上回った。
最多はサービス業他の1,033件(前年同期比4.7%増)で、2年ぶりに前年同期を上回った。このほか、建設業が604件(同14.6%増)で14年ぶり、情報通信業が114件(同6.5%増)で4年ぶり、農・林・漁・鉱業が40件(同42.8%増)、金融・保険業が13件(同8.3%増)で2年ぶりに、それぞれ前年同期を上回った。
また、燃料価格の高止まりなどの影響が注目される運輸業は162件(同42.1%増)で、3年ぶりに前年同期を上回った。
一方、卸売業が387件(同0.2%減)で10年連続、小売業が343件(同1.7%減)で3年連続、不動産業が104件(同5.4%減)で2年連続で、それぞれ前年同月を下回り、年度上半期では1993年度以降の30年間で最少となった。

2022年上半期の産業別倒産

産業別倒産上半期推移

地区別 倒産件数、北陸と四国を除く7地区で前年同期を上回る

 2022年度上半期の地区別件数は、北陸、四国を除く7地区で前年同期を上回った。ただ、前年同期を上回った東北、関東、中部、近畿、中国、九州は、年度上半期としては1993年度以降の30年間で、2021年度に次いで2番目の低水準となった。
北海道99件(前年同期比62.2%増)が、上半期としては2012年同期以来、10年ぶりに前年同期を上回った。運輸業(5→14件)、建設業(6→10件)、製造業(9→13件)、サービス業他(19→27件)など、10産業のうち、9産業で前年同期を上回った。
このほか、東北136件(前年同期比20.3%増)、関東1,232件(同9.9%増)、近畿800件(同2.1%増)、九州244件(同9.4%増)が3年ぶり、中部396件(同9.3%増)、中国124件(同5.9%増)が2年ぶりに、それぞれ前年同期を上回った。
一方、北陸64件(同20.9%減)、四国46件(同39.4%減)が、それぞれ3年連続で前年同期を下回り、30年間で最少となった。

2022年上半期の都道府県別倒産

※地区の範囲は以下に定義している。

  • 東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
  • 関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
  • 中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
  • 北陸(富山、石川、福井)
  • 近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
  • 中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
  • 四国(香川、徳島、愛媛、高知)
  • 九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

上半期の主な倒産

[負債額上位5社]

  1. マレリホールディングス(株)/埼玉県/純粋持株会社/1兆1,330億円/民事再生法
  2. 神明畜産(株)/東京都/畜産業/294億5,600万円/民事再生法
  3. (株)肉の神明/東京都/食肉卸、小売/208億400万円/民事再生法
  4. (株)SH東雲堂/広島県/書籍販売ほか/193億100万円/特別清算
  5. 日本ロジステック(株)/東京都/倉庫、運輸業/151億300万円/民事再生法

出典:東京商工リサーチ

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