株式会社扇屋が特別清算開始命令の対象に

はじめに

婚礼用貸衣装サービスなどを提供していた株式会社扇屋は2021年1月21日に大阪地裁に特別清算を申請。その1か月後の2月19日に特別清算開始の命令を受けました。扇屋は昭和15年創業で有名ホテルなどで貸衣装室などを展開していました。住所は大阪市北区天神橋4-7-7、資本金は5000万円。

扇屋とは

扇屋は1940年6月に創業しました。1955年1月に法人成りしています。業種は貸衣装サービス業者。ウエディングドレス・着物・婚礼用の紳士服・親族向けの礼服などの貸衣装のサービスを手がけていました。扇屋は大阪だけでなく、銀座・博多の「プルミエ」をキーステーションに関東や九州にある有名なホテルやシティホテルなどの結婚式場に併設されている衣装室を展開してきました。海外の結婚式場とも提携してハワイやグアムなどにも拠点を展開しています。ピーク時の2007年3月には年収53億5100万円を計上します。その後もハウスウエディングなどの結婚式場運営業者との取引なども拡大していきます。さらにグループ会社を通して結婚式場の運営にも乗り出していました。

有利子負債が膨らむ

ただ衣装室の開設などのコストで有利子負債が膨らんでいきました。そこに近年の結婚式の簡素化や新興の同業他社の出現などによって受注が減少します。不採算となっていた海外事業の縮小や国内不採算店のスクラップアンドビルドを加速して東京のキーステーションを銀座から神宮前さらには代官山に移転するなどの合理化を行った結果、2019年3月期の年収は22億4600万円にまで落ち込んでしまいました。

その間にもBrillia(渋谷区にあった会社で2017年に倒産)に対しての大口の焦げ付きなどの結婚式場の運営業者への不良債権が相次いで資金繰りが悪化します。2018年からは金融機関に返済を猶予していました。

その後も減収傾向が続いて

その後も減収傾向は続きました。そこで2020年3月にはグループ会社を通して運営していた結婚式場を事業譲渡します。さらに新型コロナウイルスの感染拡大で結婚式場自体が苦戦の傾向になります。そこから全国に広がる衣装室事業を会社分割などによって譲渡します。不動産賃貸事業に転換して賃貸収入によって借入金返済を進めて行く方針を固めるも金融機関との調整が困難を極めます。

そこで所有している不動産を売却して借入金を縮小していく方向に転換をしていきます。2020年9月と12月に不動産を売却。そして2020年12月16日の株主総会の決議によって解散をしました。負債は保証債務も含めておよそ21億1800万円とのことです。

参考資料・出典
帝国データバンク:https://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/4770.html

 

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