日本銀行は16日の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策の継続を全会一致で決めた。植田和男総裁は会合後の記者会見で、「企業の価格や賃金の設定行動に変化の兆しがある」と述べ、持続的な物価上昇率2%の目標実現に向けて機動的に対応する考えを示した。 【図】一目でわかる…食品の値上げ、昨年のペースを上回っている
政策金利は短期をマイナス0・1%、長期を0%程度に据え置き、長期金利の変動幅も「プラスマイナス0・5%」のままとした。国内の物価上昇率は実績値で3%台半ばだが、植田氏は「(経済の)不確実性は高い。粘り強く金融緩和を続け、物価安定の目標を目指す」と語った。
前回会合で示した過去25年の金融政策を巡る「多角的レビュー」の方針も説明した。金融政策が経済に与えた影響のほか、1990年代以降の国際化や少子高齢化が国内経済にもたらした影響を検証する。外部識者への意見聴取や日銀の報告に対する意見公募も行う。