米インフレ低下、持続に不安 利上げ判断へ指標見極め FRB〔深層探訪〕

米連邦準備制度理事会(FRB)は26日、連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を0.25%引き上げることを決めた。6月に11会合ぶりに金利を据え置いたものの、物価上昇圧力は依然として強く、利上げ再開が必要と判断した。米国のインフレ率は低下基調にあるとはいえ、今後も持続するかは不確か。FRBは追加利上げの是非を見極めるため、まずは経済指標を精査する構えだ。

◇カギは労働市場
「歓迎すべきだが、単月のデータでしかない」。パウエルFRB議長は26日の記者会見で、6月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比3.0%上昇と、2年3カ月ぶりの低水準となったことについて過度な楽観を戒め、「より多くの指標を確認する必要がある」と語った。

楽観できないのは、インフレ低下の大部分を、変動の激しいエネルギー価格や食料価格が担っているためだ。人手不足による賃金上昇のあおりで、サービス分野は6.2%上昇と高止まりしている。パウエル氏は物価安定に向け「労働市場のさらなる鈍化が必要だ」と認めた。  物価指数の半分以上を構成するサービス価格がなおも高水準にある中、ロシアのウクライナ侵攻のような地政学的リスクといった「外的ショック」をきっかけに、全般的なインフレが再燃する恐れもある。実際、ロシアは今月、黒海経由でウクライナ産穀物を輸出する合意の履行を停止。穀物相場の高騰が懸念されている。

◇穀物相場に上昇懸念
国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミスト、ピエール・オリビエ・グランシャ氏は25日の記者会見で、穀物合意の停止により「穀物価格が10~15%程度押し上げられるとの推計が妥当」との見方を明らかにした。パウエル氏も影響を「極めて注視している」と警戒感をあらわにした。

FRBが6月会合で示した政策金利見通しを踏まえれば、年末までにあと1回の利上げが想定されている。だが、パウエル氏は次回の9月会合に関し、「追加利上げか、金利据え置きを決める」と述べるにとどめた。インフレ動向を巡る先行き不透明感が強い中、「最大限の選択肢を持っておきたい」(米銀エコノミスト)との意向がうかがえる。(ワシントン時事)

出典:Yahoo!JAPAN ニュース(時事通信社)

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