「ゾンビ企業」の現状分析(2022年11月末時点の最新動向)

「ゾンビ企業」は約18.8万社、前年度から一段の増加
~ ゾンビ企業率は12.9%、全企業の1割強が該当 ~

はじめに

ゾンビ企業が一段と増加している。
2022年11月時点で判明している2021年度(2021年4月期~2022年3月期)の「ゾンビ企業」率は、前年度比1.5ポイント増の12.9%に上昇し、想定される全国の「ゾンビ企業」数は約18.8万社に達した。比率、社数ともに、前年度から一段の増加となっている。
TDBではこれまでに、数度にわたってゾンビ企業の実態をレポート(※)してきた。最新の情勢を分析し、あわせて今後の動向を占う。

■ゾンビ企業の定義は、国際決済銀行(BIS)が定める「ゾンビ企業」の基準に準拠している

調査結果

  1. 1 2021年度のゾンビ企業率は12.9%。前年度の11.4%から1.5ポイント上昇した。全企業の1割強が「ゾンビ企業」の基準に該当している
  2. 2 「ゾンビ企業」の売上高経常利益率は▲4.94%に悪化、有利子負債月商倍率が10.63倍に微増となり、債務超過に転落した。「ゾンビ企業」の収益力、財務状況は悪化している
  3. 3 「ゾンビ企業」のなかで、コロナ関連融資を「現在借りている・借りた」企業は約76.3%。さらに、返済を不安視する企業は20.5%に達した
  4. 4 ゾンビ企業率の内訳をみると、業種別では「小売」が19.5%とゾンビ企業率のもっとも高い業種となっている。従業員数別では20人以下のゾンビ企業率が全体の12.9%を上回った。地域別では「東北」のゾンビ企業率が17.8%と高い
  5. 5 2021年度の「ゾンビ企業数」は推定18.8万社。2020年度の16.6万社から大幅に増加した

出典:帝国データバンク

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