経産省が貿易保険法改正案の提出を断念

はじめに

経済産業省は21年3月4日、通常国会で審議を予定していた貿易保険法改正案についての提出を取り下げると正式に発表しました。法案の内容は新型コロナウイルスの感染の拡大についての対応です。この分野は日本貿易保険(NEXI)の手がける貿易保険の対象範囲を広げていく内容になっています。ただこの日本貿易保険は不適切な投資や保険料の誤った徴収などが明らかになっています。経済産業省では再発の防止を優先していきます。

日本貿易保険とはどのような組織?

日本貿易保険は日本政府が100%出資の株式会社です。経済産業省では日本貿易保険に対して「業務全般について徹底した調査と検証さらに早急な再発防止策の決定の実施を求めていく」とのことです。そこから「完全な再発防止策を講じるまでに時間がかかる」とのことで法案の提出の見送りを決めたとのことです。

保険料を過徴収していたケースも

日本貿易保険は4日に企業の輸出などで生じる損失などをカバーしていく貿易保険で企業から受け取る保険料の金額を誤っていた事例があったということを発表しました。2006年から2018年にかけての38件の保険契約で本来の金額よりも多く徴収していました。誤って徴収をしてしまった金額は1件あたり45万8600円余になります。日本貿易保険ではこの保険料の過大分に対しては後日返還をしていくとのことです。

また保険料を少なく徴収してしまったところでは1件あたり最大で153万7600円余を取り忘れたという事案もありました。日本貿易保険では日本経済新聞の取材に対して「追加の徴収をしていくかどうかは現在検討中」とのことです。

不適切な投資もあった

また2月には省令で定めている運用方法にあてはまらない不適切な投資をしていたことも明らかになっているなどの不祥事が続いています。

参考資料・出典
日本経済新聞:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGD046810U1A300C2000000/

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