富士たまご株式会社など8社2022/11/30東京地裁へ会社更生法の適用

養鶏業
鶏卵大手イセ食品グループ
会社更生等でイセ食品と一体再建へ
TDB企業コード:547019174

「静岡ほか」 富士たまご(株)(資本金300万円、静岡県富士宮市根原字宝山47-6、代表福澤淳一氏)は、11月30日に東京地裁へ会社更生法の適用を申請し、開始決定を受けた。同じくイセ食品グループ7社は同日、同地裁へ民事再生法の適用を申請し、開始決定を受けた。今後、簡易再生手続きへ移行する見込み。

管財人には髙井章光弁護士(東京都港区西新橋1-15-5、髙井総合法律事務所、管財人室03-6758-6936)が選任された。

富士たまご(株)は、鶏卵大手のイセ食品(株)(TDB企業コード:270073572)のグループ会社として2016年(平成28年)6月に設立した養鶏業者。設立後しばらくは養鶏施設の設置等の準備に充てられ、2020年5月より養鶏事業を本格開始した。本店地の養鶏施設においてニワトリ約130万羽を飼育して収卵し、専用機械による鶏卵洗浄、パック詰め包装を行い、グループの中核企業であるイセ食品(株)に納入するほか、一部は食品商社に対しても販売し、2022年1月期の年売上高は約43億円を計上していた。

しかし、養鶏場建設の際に当初の方針よりも投資額が膨らみ、借り入れ負担は重く資金繰りは悪化。また、国際紛争の長期化や円安進行などの影響で養鶏飼料、燃料、電気代の値上がりが進み収益を圧迫していた。こうしたなか、2022年3月にイセ食品(株)が東京地裁より更生手続き開始決定を受け、スポンサー選定が進められていたが、11月25日に(株)SMBCキャピタル・パートナーズとの間でスポンサー契約を締結。28日に開催された取引先説明会で、同社とアライアンスを組む(株)経営共創基盤、(株)トマルの3社が支援体制を組み、グループ13社が支援対象となることが説明されていた。

グループ一体での再建を目指すため、支援対象企業で法的整理を行っていない11社のうち8社は、今後の弁済計画作成のため事業再生の効果の観点から今回の措置となった。残りの3社は、私的整理での一体再生を目指す。また、簡易再生は民事再生手続きの一種で、簡易かつ迅速な手続き終結を目指す。

富士たまご(株)の負債は2022年1月期末時点で約109億円。基本的に債権者は金融機関およびグループ会社となり、一般取引先には従前の取引条件を継続することを前提に全額弁済の方針。

なお、今回民事再生法の適用を申請した7社は以下の通り。

(有)はやま農場(富山県高岡市)
(株)かすみがうら農場(茨城県かすみがうら市)
(有)つくばファーム(茨城県石岡市)
(株)新ひたちファーム(茨城県城里町)
(有)森屋農場(茨城県小美玉市)
千葉孵化場(株)(千葉県東金市)
イセファーム東北(株)(富山県高岡市)

出典:帝国データバンク

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