【パリ=白石透冴】英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は31日、英国と欧州連合(EU)がロシア産石油を積んだ船舶に保険をかけることを禁じると報じた。対象の船舶は世界最大級の保険市場である英ロイズ保険組合などを使えなくなり、ロシアのエネルギー輸出に打撃となるとみている。
禁止措置が実際に始まるのは6カ月後の見通しだという。EUは対ロシア制裁の一環として船舶の保険に狙いを定め、効果を高めるために英国の協力も得た。実施にあたっては、どのように積み荷をロシア産と特定するかなどの課題が出てきそうだ。
英ロイズ保険組合は会員組織で、世界の保険会社がシンジケートと呼ばれる引受団をつくり、持ち込まれた案件を引き受ける。最古の保険市場だ。
EUは30~31日の臨時首脳会議で、ロシア産石油の大半を輸入禁止とする追加制裁案に合意した。だがロシアは中国、インド、トルコなどへの輸出を続けており、制裁の効果が十分に上がらないとの指摘もあった。
出典:日本経済新聞